現代人は忙しい人が多いです。仕事や家事育児など、日々やることに追われていると、「疲れやすい」「休んでも疲れが取れない」という状態になってしまうこともありますよね。
疲労は心身を休ませなければいけないというサイン。疲労と溜め込むと、さまざまな症状として体に現れてきてしまいます。早めに対策をしたいものですよね。
今回は、慢性的なつらさを楽にする漢方薬をご紹介します。
現代人の多くが脳疲労を抱えている
ストレス社会といわれるように、現代人の多くが日々ストレスを抱えています。ストレスは脳を疲れさせてしまうため、慢性的に疲労を感じている人も少なくありません。
しかし、こうした慢性疲労は、検査上では異状なしとされることが多いです。原因となる病気もあるわけではなく、ただ実感としてはつらい。
こうした「疲れやすい」「風邪をひきやすい」といった虚弱体質の改善は、西洋医学では原因が特定できない以上対応が難しいものです。一方、漢方の世界では、原因がない不調への対処は得意分野です。
このような慢性疲労に、漢方薬は「つらい症状」を改善させる目的で処方されます。
疲れやすい人に処方される漢方薬
漢方の捉え方では、疲れやすさの多くは「気」が不足している「気虚(ききょ)」に当てはまります。「気」とは生命エネルギーのこと。何となく元気がないイメージが湧きますよね。
また、全身に栄養を運ぶ「血(けつ)」が不足した「血虚(けっきょ)」や、五臓の「腎(じん)」が衰えた「腎虚(じんきょ)」になっているとされることも。
処方される漢方薬は、こうした状態を改善させる働きがあるものとなります。
・療方昇陽(りょうほうしょうよう)
療方昇陽(補中益気湯)は慢性疲労に悩まされている人に処方される代表的なもの。「気虚」を改善させる働きをもった漢方薬です。春などの季節に良く言われている朝起きれない…朝起きてもシャキッとしない方は気が足りない(気虚)の状態にある可能性が高いと言われていますので療方昇陽顆粒がおすすめです。
療方昇陽(補中益気湯)の「益気」は「気を増す」という意味。元気を補う漢方薬の代表的なものです。そのため、「医王湯(いおうとう)」と呼ばれることもあります。
気力がわかず、だるくて疲れが取れない、全身倦怠感に悩まされている人に処方されます。
最近では、原因がはっきりしない疲労感だけではなく、手術後の体力回復や抗がん剤・放射線治療の副作用による全身倦怠感を軽減させるためにも処方されています。
・小建中湯(しょうけんちゅうとう)
小建中湯は、体力がない虚弱な子どもの体質改善によく処方されている漢方薬です。大人の方でも、虚弱で胃腸が弱く、疲れやすい方に多く処方されています。
日常的に疲れやすさが出ておられる方で胃腸の具合も良くない方に適しています。
副作用:生薬のひとつ「甘草(かんぞう)」の副作用として、血圧上昇やむくみには注意が必要です。
・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
全身が弱ってしまっている人、漢方でいう「気」も「血」も著しく低下してしまっている人に向く漢方薬です。「十全」という名前の通り、血行を促進し、滋養強壮作用をもつ10種類の生薬が配合されています。気力体力を補ってもらえますよ。気と血が不足している方で良く夢を見る方や不安に感じる事が多い方は加味帰脾湯(かみきひとう)もおすすめです。
副作用:あまりにも胃腸が弱い人が服用すると、食欲不振、悪心、下痢といった消化器症状が現れたり、症状が悪化したりすることがあるため、注意が必要です。
・人参養栄湯(にんじんようえいとう)
主薬は「人参」。栄養状態の改善効果が期待できるということから、「人参養栄湯」と名付けられた漢方薬です。「気」「血」が不足している人に処方され、滋養強壮作用や血行をよくする生薬が多く配合されています。
先にご紹介した「療方昇陽」や「十全大補湯」と同じく、体が弱っているときに処方される漢方薬ですが、人参養栄湯は特に咳など呼吸器症状を伴う場合や身体が冷えている場合、消化器系統の不調にも向くものだとされています。
副作用:胃腸が弱い人が服用すると、食慾不振、吐き気、腹痛、下痢が引き起こされることがあります。
以上のように疲労・倦怠感に効果のある漢方薬は数種類あります。
是非、漢方薬をうまく活用して健康な毎日を過ごして頂けたらと思います。
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