春になると花粉症の症状が出てきがちですが、新社会人になった方や転職、転勤などによって新生活になってしまったりと環境の変化による目の疲れが出てこられる方も非常に多くなってきています。
特に慣れていないパソコンなどの作業などはストレスになってしまい、眼に大きな負担をかけてしまいがちです。
目薬で解決しようと思ってもなかなか眼の症状が改善しない方に漢方薬をご紹介します。
目の症状は「肝」と「腎」が密接に関係しています!
身体にとって気と血はエネルギーや栄養として体の中を巡る事によって健康を保っています。その中でも肝は血を貯める臓器になりますが、肝に蓄えられた血が潤うことで目も正常な状態に保つ事ができるとされ、腎は精を蔵して発育・成長を主る部分でもあり、精は血に転化すると言われていますので、血を蔵する肝とも密接な関係にあり、肝腎同源とも言われています。
肝の原因で出やすい症状が主に目の症状(肝は目に開竅する)とも言われています。ストレスなど様々な原因によって気と血が不足したり、肝に熱を持ってしまった状況になりますと熱は上に上がる習性がありますので、特に顔面部を中心に症状が出やすくなります。
血の消耗によって不足してしまう血を腎の精を血に転化する事で補おうとしますので、腎も影響を受けてしまいます。その結果、腎精が不足する(腎陰虚)などの症状が出やすかったり、熱などにより目の乾燥がひどくなってしまい、乾燥することで感染症やホコリ、花粉などの影響を受けやすくなってしまいます。
目の症状に良い漢方薬5選
今回は目の症状に良い漢方薬をご紹介します。目薬ではなかなか改善できない症状も漢方薬であれば改善できる可能性が高いのでぜひご利用いただければと思います。
滋腎明目湯は肝と腎の密接な関係に着目し、主に腎の精を補い、肝の血を補い、風熱を取り除く事によって目の症状(目のかすみ、目の疲れ、目の痛み)に効果のある漢方薬です。疲れが出てしまう方を中心に眼精疲労や老眼などといった症状にもおすすめできる漢方薬です。
中国では主に劳神腎虚(ストレスによって起きる腎精の不足)や血少眼痛(血液の不足によって起きる目の痛み)を中心とした効果があると紹介されています。
洗肝明目湯は主に荊芥連翹湯に目を清熱する生薬が配合された感じの処方になりますが、主にこの熱を清熱と潤す役目を担い、目の充血、目の痒み、目の乾燥、目が腫れる、目の痛みがある方におすすめできる漢方薬です。逆に冷えがある方には不向きになります。
中国では熱赤腫疼痛として主に頭部の熱感、目が赤く腫れる、目の痛みに効果があると紹介されています。
杞菊地黄丸は六味丸に枸杞子(クコシ)と菊花(キクカ)を配合した漢方薬で、余分な熱と水分を取り除き、肝血補い、腎精も補う(肝腎同源)役目を果たしますので主に高齢に伴う不足しがちな腎虚(特に腎陰虚)を補います。老眼や疲れによる眼精疲労(目の疲れ)、目の乾燥、糖尿などの目の症状全般におすすめです。
中国では滋肾养肝、用于肝肾阴亏、眩晕耳鸣、羞明畏光、迎风流泪、视物昏花として主に肝腎を滋養する、めまいの耳鳴り、涙で潤いを与える効果があると紹介されています。
頭痛におすすめな漢方薬で川きゅう茶調散によく似ていますが、特に疲れが溜まってしまうと頭痛が出やすく、目の痛みなども出てきてしまいます。特にイライラしやすい方や目の症状(目の周辺が痛む、眼や目の奥が痛む、)と共に頭痛がある方、頭痛が激しい方にもおすすめの漢方薬です。
消化吸収が悪い場合は血が作り出しにくい環境になってしまいがちです。苓桂朮甘湯は消化吸収する臓器の脾を補い、目の栄養でもある血を補い、利水を行うことで涙が出やすい方、眼筋が痙攣する方を中心におすすめの漢方薬です。消化不良気味だと感じる方で目の症状が気になる方にもおすすめです。
目の症状だから目薬を…という考え方のみならず、漢方薬も使って改善を目指しましょう。
眼以外の身体の不調におすすめです(番外編)
眼の不調以外にも身体の不調がある方にご一緒におすすめできる漢方薬を紹介します。春先には特に気と血が不足しがちですのでぜひご一緒にご利用ください。
春眠暁を覚えずという言葉がありますが、春先に起きれずに寝坊してしまう、起きる事はできるがだるくて仕方がないといった症状は気の不足による可能性が高いと言われています。眼精疲労などは特に身体の疲れから来ている可能性も高いので気を補う療法昇陽顆粒も一緒におすすめです。
婦人宝は特に当帰(トウキ)という生薬がたくさん入っているという特徴があります。特に血を整える効果がありますので、血液不足(血虚)の方におすすです。女性の方は特に血液が不足しやすいと言われていますので目に良い漢方薬と一緒にお使いいただく事をおすすめいたします。
他の漢方薬もございます!
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コタロー(小太郎漢方製薬)や
クラシエ薬品の漢方薬などの取り扱いを行っておりますのでぜひご利用ください。漢方薬をお探しの場合には漢方薬名(ひらがな可)でもご検索頂けます。