前回は補血や婦人科の代表的な当帰(トウキ)を使用した婦人宝(ふじんほう)をご紹介しましたが、今回は季節的にも起きやすい胃腸症状でお悩みの方におすすめの療方健脾(りょうほうけんぴ)をご紹介したいと思います。
療方健脾(りょうほうけんぴ)は特に消化吸収する臓器(脾)を中心とした機能を向上して代謝促進を行うことで消化吸収を促す働き(補気健脾)、胃の機能が悪くなってしまう事で気が降下できずに嘔吐や吐き気、胃痛などの症状の改善(和胃降逆)の働きがあります。 日常的に胃腸の弱い方や食欲がいまいち出てこない、疲れやすい、貧血性の手足の冷えなどがある方の胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐に効果がある漢方薬です。 → 療方健脾(りょうほうけんぴ)のお求めはナガエ薬局で!食欲不振、消化不良などの胃腸症状に!
食欲不振や消化不良などの症状は様々な原因で起きますが、療方健脾(りょうほうけんぴ)は胃の付近に何かがつかえている感じがする、食欲がない状態で食事をするとすぐにお腹が張ってしまう症状(脾気虚:ひききょ)の症状を中心に痰が出たり口の粘り気がある、嘔吐などの症状(湿痰:しつたん)の傾向がある方におすすめです。処方解説
特に消化吸収する臓器(脾)を中心とした機能を向上して代謝促進を行うことで消化吸収を促す働き(補気健脾)、痰を取り除いて滞っている気(気滞)を流す(理気化痰)、水の流れを良くして浮腫(むくみ)や腫れを改善する(利水消腫)作用があります。気の不足がある状態(気虚)に用いられる四君子湯(しくんしとう)に痰を取り除いて滞っている気を流す(理気化痰)に用いられる二陳湯(にちんとう)を加えた処方になっています。 身体へ水分の吸収や排泄などの代謝が気虚によって発生する下痢のような水様便や気の滞り(気滞)によって起こりやすい浮腫、嘔吐などに用いられます。実際に舌を鏡の前で出して確認してみると舌自体の大きさは大きく(胖大)、白い膩苔が起きやすくなっています。特にこの白膩苔が分厚くある場合には二陳湯(にちんとう)もおすすめできます。 療方健脾(りょうほうけんぴ)は人体の要素(血、津液、精、陽気など)を補う補益剤としても知られています。- 気を補いながら脾の働きを助ける(補気健脾) 人参(にんじん)、甘草(かんぞう)、白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)
- 血液を作り出す(造血)や免疫機能の向上に働く 人参(にんじん)、白朮(びゃくじゅつ)、甘草(かんぞう)
- 水の流れを良くして浮腫(むくみ)や腫れを改善する(利水消腫) 陳皮(ちんぴ)、半夏(はんげ)、生姜(しょうきょう)
- 各生薬の調整機能の役割(調和)があり、胃を保護する。 大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)
食欲不振や消化不良以外の症状もある場合…
- 下痢の症状や冷えがある方 食欲不振や消化不良になると起きやすい症状の1つに下痢があります。食欲不振などの症状の他に足のむくみがひどい場合には療方調流(りょうほうちょうりゅう)、冷えを比較的感じてしまう方は扶陽理中(ふようりちゅう)などと併用される事をおすすめいたします。
- 嘔吐感が強い方、食道部のつまり感が強い方 気持ちが悪くて嘔吐感が強い、食道部の詰まっている感じが強く感じられる方には半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)との併用をおすすめします。
- 暴飲暴食などによって消化器が冷えている方 冷たい飲み物などを飲まれてしまった事(暴飲など)でひどくなる場合には平胃散(へいいさん)との併用もおすすめです。また、食事での量も多くなりがちな場合(暴食)でひどくなる場合は山査子(さんざし)などが追加配合された加味平胃散(かみへいいさん)との併用もおすすめです。
- 白膩苔や痰が多く出る方 舌を鏡で見た時に舌の苔みたいな物(膩苔)を見ると厚く白い膩苔がある方や口の粘り気や痰が多く出る方には二陳湯(にちんとう)との併用をおすすめします。
食欲不振、消化不良などにぜひおすすめです!
こんな症状はありませんか?- 胃部につかえを感じる方
- 食べ物を食べるとすぐにお腹が張ってしまう方
- 食欲が無くて、痰が多く出てしまう方
- 口が粘ってしまって気持ち悪い
- 疲れて手足に冷えを感じてしまう方
「【漢方薬紹介】療方健脾(りょうほうけんぴ)「クラシエ」について」への2件のフィードバック
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