ひどくなると、重だるさや腹痛を起こすこともある「便秘」。つらいですよね。病気由来ではない便秘では、食生活など、生活習慣から改善を試みることが大切です。それでもなかなかよくならない場合は、漢方薬も合わせて解消を目指しましょう。
便秘の解消に役立つ、腸の働きを整えてくれる漢方薬をご紹介します。
便秘の原因
便秘の原因のほとんどが、
腸の働きが悪くなっていること。
「機能性便秘」と呼びます。機能性便秘は、以下のふたつに分けられます。
・弛緩性便秘
大腸の緊張が緩んでいる影響で、大便がうまく運ばれなくなってしまったために起こる便秘。高齢者や腹筋の弱い女性、肥満の人に多い。また、運動不足、食物繊維不足、ダイエットが原因となることも。トイレを我慢し続けたせいで引き起こされることもある。
・けいれん性便秘
大腸のぜんどう運動が激しすぎるために、腸が収縮し、大便が通り
にくくなってしまっている便秘。若い人に多く、ウサギのうんちのようなコロコロした硬い便が出る特徴がある。ストレス、睡眠不足が原因。
また、これらのほかに、女性ではホルモンバランスの影響で、骨盤や腸壁に血液が溜まってしまうことで起こる便秘もあります。
便秘に作用する漢方薬6選
漢方が作用するのは、病気由来ではない「機能性便秘」です。「気」「血」「水」それぞれの乱れが原因だと考えられ、便秘のほかにみられる症状も合わせて処方されます。
「大黄(だいおう)」を含む漢方薬が処方されることが多いです。
大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
便秘の人に処方される、もっとも代表的な漢方薬です。体力が中程度ある人を中心に、便秘以外の症状が特に見られない幅広い人に処方されます。
名前のとおり、「大黄」と「甘草」という2つの生薬から成っています。「大黄」は腸を刺激してぜんどう運動を促す作用が強い生薬、「甘草」は緩和作用により、便秘に伴う腹痛をやわらげる働きがあります。
大黄甘草湯は、西洋医学的な臨床試験によっても、その効果が証明されている漢方薬です。
副作用:胃腸が弱い人や体力が低下した人が服用すると、食欲不振、腹痛、下痢が起こることがあります。
また、妊娠中の女性は子宮収縮を起こすことがあるため使用を控えます。授乳中の女性も、母乳により赤ちゃんが下痢を起こすことがあるとされているため、こちらも使用を控えましょう。
「甘草」の副作用である血圧上昇、むくみにも注意が必要です。
便がコロコロ乾燥している状況で硬い方が皮膚がカサカサ乾燥している方におすすめの漢方薬処方の便秘薬です。便を軟化して潤滑にする事で自然に近いお通じをもたらします。比較的便秘に対しては万能的にお使いいただける漢方薬ですので、ファーストチョイスとしてご利用いただけます。
「大黄甘草等」に「芒硝(ぼうしょう)」が加えられた漢方薬。芒硝には、便の水分量を増やして軟らかくする作用があります。口や舌が乾いたり、腹が張ったり、腹痛をともなう便秘に用いられます。比較的体力がある人に適しています。
体格・体力がともによい人に処方される漢方薬です。便秘がちで、上腹部が張って苦しい人に使われます。ただし、身体が冷えている方には不向きとなりますので、麻子仁丸や調胃承気湯などの漢方薬をおすすめします。
副作用:腹痛、下痢が起こることがあります。また、まれに間質性肺炎、肝機能障害、黄疸が起こることもあります。
大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんびとう)
比較的体力がある人に処方されます。特に、女性で便秘に悩んでいる人に使われる漢方薬です。また、右下腹部に張りがあったり、捺すと痛みがあったりする場合に用いられることが多いです。
配合されている代表的な生薬は、腸の働きを活発化させる作用を持つ「大黄」と。便をやわらかくさせる作用を持つ「芒硝(ぼうしょう)」です。
副作用:胃腸が弱い人が用いると、食欲不振や腹痛、下痢が起こることがあります。また、「大黄」は子宮収縮を引き起こることもあるとされているため、妊娠中の女性はなるべく使用を控えましょう。
体力が中程度ある、特に高齢者の人に向く漢方薬です。乾いた腸をうるおす「地黄(じおう)」や「当帰(とうき)」、血行を促す「桃仁(とうにん)」が配合されています。腸を刺激する「大黄」も含まれていますが、便をやわらかくして排出させる働きに長けた漢方薬といえるでしょう。
副作用:著しく体力が低下している人は、腹痛を起こすことがあります。また、胃腸が弱い人は食欲不振、悪心、下痢症状が現われることも。また、まれに間質性肺炎、肝機能障害が起こったという報告もされています。
便秘解消は生活習慣の改善とセットで
漢方薬といえども、あまりに長期間に渡り常飲し続けると、効果が薄れてしまうものもあります。漢方薬は改善の助けとして使用し、生活習慣を改善させていくことも大切です。
トイレを我慢せず、毎日決まった時間に行くようにする、食物繊維を含む食事を摂る、適度な運動を習慣にするといったことが効果的です。また、けいれん性便秘だと診断された方は、刺激物を避けることも有用。
漢方では、腸の働きを整えるためにはおなかをあたためる方が良いと考えられています。あたたかい食べもの・飲みものを選び、腹部を冷やさないように心がけることも大切です。
花粉も本格的になってまいりました…
この時期になると本格的な花粉のシーズンが到来してきます…抗アレルギー薬などもおすすめですが、身体に冷えや小青竜湯では効果がいまいち…と感じる方は
麻黄附子細辛湯、鼻以外の症状もある方は
小青竜湯、粘っこい鼻水が出る方は
辛夷清肺湯、鼻づまりがひどい方には
荊芥連翹湯などの漢方薬もおすすめです。ぜひこの機会にご利用下さい。
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