冬の冷えた時期におすすめの漢方薬

体の冷えに良い漢方薬について

2018年も残すところ後1ヶ月ちょっとで年越しというところまで参りました。暖冬とは言われていますが、季節が冬に近づくに連れて気温も徐々にではありますが寒くなってきました。 毎年この時期になりますと「冷えは万病の元」というフレーズを耳にされる方も多いかと思いますが、冷えは肩こり・便秘・不眠など様々な部分で身体に悪影響を与えてしまいます。 そこで今回は身体の冷えを改善する漢方薬を紹介したいと思います。

陰と陽

中医学には身体の中には主に身体を冷やす役割(陰)と身体を温める役割(陽)があると言われています。身体の陰と陽の関係は重要な要素の1つです。簡単に説明しますと身体が冷えている場合には温めると改善、身体が暑い場合には冷ますと改善するという事になります。 季節も関係していますが、夏場になると身体を冷やす役割(陰)が不足してしまう状態(陰虚)が多いと言われますが、冬場はその逆で身体を温める役割(陽)が不足してしまう状態(陽虚)による原因で様々な不調を起こしてしまう部分も多いと言われています。

「冷え症」ではありません…

身体を温める役割が不足している状態(陽虚)の話になりますと冷え症と思われる方も多くおられますが、主に他の人が感じないような冷えを感じてしまったり、その冷えによって不快や苦痛を伴って長く継続してしまっている状態を冷え症と言われています。 冷え性は身体が冷えやすい体質であったり、冷え症に近い症状が出る状況を冷え性といいます。以前、お粥と血虚についての記事で説明をさせていただきましたが、血虚と貧血についてと良く似ているような気がします。

冷えが起きてしまう主な原因

身体を温める役割(陽気)は身体に蓄えられています。外の気温などによる影響で冷えてしまった身体の表面に絶えず運ばれて温められる事によって体温が保たれています。人間の基本的な役割で恒温動物に該当する所以でもあるような気がします。 身体の全身に運ぶために必要な陽気を作り出せない状況やうまく運ぶことができないと冷えが生じてしまいやすくなってしまい、冷えが起きてしまう原因となります。

身体を温めて症状を改善しましょう!

そこでこの時期に起きやすい症状を中心に身体を温めて改善する漢方薬をおすすめさせていただきます。

鼻水・鼻づまりに良い漢方薬

身体に影響を及ぼす中で鼻水・鼻づまりなどを起こす原因になります。冷えを感じている場合や鼻炎薬などで改善できていない場合には身体などの冷えが原因である事も多いので漢方薬がおすすめです。

葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

外部の環境(主に風や寒)による影響が出ている症状を改善する葛根湯に鼻の詰まりなどを改善する役割の生薬を配合した漢方薬です。汗をあまりかかない方におすすめの漢方薬です。鼻づまりなどにも効果があります。汗がかかない方で鼻が詰まりがちな方の身体に冷えを感じてしまうと出てしまう鼻水にもおすすめです。

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

冷えの状態が強い方におすすめの漢方薬で、身体の内部から冷えを解消させていく効果と共に冷えてしまった際に身体にある水のめぐりを改善させて咳や鼻水の症状に用います。花粉症にも用いられている漢方薬ですが、忘年会などの飲み会などが多くなる冬の季節になるとお酒などの冷たい飲み物を飲みがちでもありますのでその様な場合にもおすすめです。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

くしゃみなどの症状などがある場合には寒さを散らして肺を温める小青竜湯もおすすめです。主に水っぽい鼻水は日常的に水の滞りがある事が多いので鼻水や痰などの症状をおこしやすいと言われ、くしゃみ・薄い痰を伴う気管支炎、水っぽい鼻水が出てしまう方におすすめの漢方薬です。

冷えを招いてしまうエネルギー源の不足に良い漢方薬

鼻水などの症状がない状態で冷えを感じている場合には、身体の中にあるエネルギーの血が不足している状態(血虚)である可能性が高いです。血は身体を温める役割も担っていますので不足することで身体が冷えやすくなってしまいます。

衝任補血(しょうにんほけつ)

主に血行を良くする事で冷え性や腹痛、名称にもありますが補血をしますので貧血なども改善します。むくみやめまい、動機などの症状も改善し、女性特有の疾患や不妊症にも用いられている漢方薬です。(従来の商品と比較して2倍量の生薬を使用していますのでしっかりとした効果を実感できる漢方薬となっております。)

婦人宝(ふじんほう)

慢性的な冷えを感じる方を中心に月経異常、腰痛などといった症状にも効果がある漢方薬です。冷えの改善を目的とした生薬を中心に配合がされていますので、冷え性、貧血、生理不順、生理痛に効果のあるシロップ剤となっています。(婦人宝は漢方薬紹介でも紹介しております。)

冷えてしまうと痛みが出てしまう場合に良い漢方薬

独活寄生丸(どっかつきせいがん)

身体の冷えによって起こる痛み、重だるいような痛みなど血行の悪化によって起こりやすい下肢の痛みやしびれなどを中心とした症状におすすめできる漢方薬です。身体を温めて血行を良くし、栄養を補う事でつらい痛みを改善する漢方薬です。筋肉や骨を強化する役割もあります。

冠心逐瘀丹(かんしんちくおたん)

生薬の丹参は活血する役割がある生薬や滞った気を通す生薬などを配合する事で血液の滞りが原因の痛みやしびれ、肩こりなどに効果がある漢方薬です。主に温性の生薬を中心に配合されていますので身体を温める役割もあります。(飲む温泉とも言われています。)

番外編:咳、痰、のどの痛みに良い漢方薬

銀翹散(ぎんぎょうさん)

喉(のど)の痛みが強くある方で熱を感じる方におすすめの漢方薬です。喉の痛みに対して消炎や排膿、粘膜保護修復などの作用もあるので素早い効果が期待でき、胃腸保護の生薬も配合されていますので胃腸にも優しい風邪薬として用いられています。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

乾いた咳が続いてしまっていたり、痰がなかなか切れにくいイガイガした状態で咳も出てしまう方を中心におすすめできる漢方薬です。粘膜や気道を潤して身体に栄養を届けて機能を高める働きがあり、咳などが乾燥すると悪化する場合や気管支炎や気管支喘息などにも用いられています。運転する方や受験生など眠気を気にされる方でもお使いいただけます。

五虎湯(ごことう)

喉(のど)が渇いている状態(飲み物などが頻繁に飲みたくなる様な状態)で激しくむせてしまうような咳や黄色い痰が出てしまう方を中心におすすめできる漢方薬です。主に気管の炎症などによって肺が熱を持ってしまう症状におすすめです。運転する方や受験生など眠気を気にされる方でもお使いいただけます。

冷えにはしっかり漢方薬で対策しましょう!

秋~冬の時期や冬の時期に起きやすい冷えを中心におすすめの漢方薬を紹介させていただきました。特に最近ではエネルギー源の血が不足している事で冷えが出やすい方も多いので日常的に婦人宝衝任補血を飲まれる方も多いです。 ぜひ冷えには漢方薬でしっかりと対策をされる事をおすすめさせていただきます。

他の漢方薬もございます!

ナガエ薬局ではコタロー(小太郎漢方製薬)クラシエ薬品の漢方薬などの取り扱いを行っておりますのでぜひご利用ください。漢方薬をお探しの場合には漢方薬名(ひらがな可)でもご検索頂けます。