漢方薬の越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)

越婢加朮湯の概要解説

概要解説

越婢加朮湯 主に浮腫(むくみ)に効果のある漢方薬です。越脾湯という浮腫を中心に効果のある漢方薬がありますが、越婢湯に胃を健康にして利水の役割(健胃利水)がある白朮が加わって作られています。その結果、組織内の水分を血中に引き込んで尿によって取り除いていく作用があります。主に体力が比較的あって浮腫や汗をかきやすい傾向があって、喉が渇いたり、尿の量が減少する場合におすすめの漢方薬です。

越婢加朮湯の中医学解説

主な役割:宣肺利水、健脾

・水の流れを調整している肺の機能を利水して改善する役割(宣肺利水)
・エネルギー源を肺へ送る役割(運化)のある臓器(脾)を健康にする(健脾)

主に水の流れを調整したりする臓器(肺)の熱(肺熱)を冷まして水分に関する代謝を改善する漢方薬です。消化吸収したりエネルギー源を作り出す臓器(脾)と肺は密接な関係にあり、特に身体の中にある水分の代謝が悪くなると消化器に停滞してしまい、皮膚付近に熱が集まることでむくみの症状として現れたり、かゆみ、喉の渇き、尿量減少などを改善する漢方薬です。

また、密接な関係のある脾を健康にする事できちんとエネルギー源を肺へと運ぶ役割(運化)を改善したり、利水による水分代謝の改善がありますので、浮腫、汗が出やすい傾向にある方の四肢・関節の腫脹、疼痛、関節リウマチ、腎炎、ネフローゼ、脚気、湿疹などの症状に用いられる漢方薬です。


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こんな方におすすめです!(ご利用の目安)

icon_check 浮腫、汗をかく傾向にある

icon_check 喉がよく乾いてしまう

icon_check 尿量の減少がある

icon_check 疼痛・関節リウマチが気になる


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処方構成と適用症

処方構成

石膏(せっこう)
麻黄(まおう)
白朮(びゃくじゅつ)
大棗(たいそう)
甘草(かんぞう)
生姜(しょうきょう)

主に麻黄、石膏が協力して水の流れを調整している肺の機能を利水して改善する役割(宣肺行水)を行い、水や湿による影響(水湿)を白朮によって取り除いていきます。

適用症

体力中等度以上で、むくみがあり、のどが渇き、汗が出て、ときに尿量が減少するものの次の諸症:むくみ、関節のはれや痛み、関節炎、湿疹・皮膚炎、夜尿症、目のかゆみ・痛みに効果があります。


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中国での主な使用法

主な役割:疏風泄熱、発汗利水

主に外からの風による影響(風邪)を分散させて、熱を取り除いていく役割(疏風泄熱)や発汗をさせて利水をしていく役割(発汗利水)などに用いる漢方薬として知られています。どちらかといえば越婢湯(外からの風による影響(風邪)を分散させて発汗による邪を取り除く役割:疏風解表、水の流れを調整している肺の機能を利水して改善する役割:宣肺利水)が有名ですが、その消化吸収する臓器(脾・胃)は湿に対して非常に弱いため、それらを取り除く役割(健脾化湿)のある白朮を越婢湯に加えた処方が越婢加朮湯になります。

日本は比較的湿が多い気候でもありますので越婢加朮湯が合っている様に思えます。中国での構成は麻黄、石膏、生姜、甘草、 白朮、大棗となっています。


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